CPAだけを見て広告を止めたり伸ばしたりしていると、打ち手が「予算をいじる」しか残りません。

CPAは結果です。悪化したときに、なぜ悪化したかはCPAの中に書かれていない。分解して、どこで詰まっているかを特定してからでないと直せない。

見る順番を書きます。

CPAは3つに分解できる

広告のCPAは、CPM、CTR、LPのCVR。この3つで決まります。

CPMは1,000回表示あたりのコスト。CTRはクリック率。CVRはLPに来た人のうち登録や購入に至った割合。

CPAが2倍に悪化したとき、原因は必ずこのどれかにあります。

CPMが上がったなら、オークションの競合が増えたか、配信面が変わったか、オーディエンスが狭すぎて枯れたか。

CTRが下がったなら、クリエイティブが飽きられたか、ターゲットとズレたか。

CVRが下がったなら、LPの問題か、広告とLPの内容が食い違っているか。

この3つを見ずにCPAだけ見ると、クリエイティブが原因なのに予算を下げる、みたいな的外れな対処になります。

CTRとCPMは分けて見る

よくあるのが、この2つをまとめて「配信効率」として眺めてしまうパターン。

原因が別物です。

CTRは自分でコントロールできます。クリエイティブと訴求を変えれば動く。

CPMは半分くらい外部要因です。競合の出稿量、季節、配信面。年末やセール時期はCPMが上がりますが、自分の広告が悪いわけじゃない。

CPMが上がってCPAが悪化しているときにクリエイティブを作り直しても、効果は薄い。逆にCTRが落ちているなら、予算をいじっても意味がない。

管理画面のカスタム列に、CPM、CTR、LP表示単価、CVR、CPAをこの順で並べています。左から右に見ていくと、どこで壊れているかが一目で分かるので。

広告の問題かLPの問題かを切り分ける

CTRは高いのにCPAが悪い。この状態は、ほぼLP側の問題です。

切り分けに使うのは、リンククリック数とランディングページビューの差。Metaの管理画面ではこの2つが別の指標として取れます。

クリックされたのにLPが表示されていないなら、読み込みが遅くて離脱しています。ここに3割以上の差があるなら、まず表示速度を疑う。画像が重いだけで数字が変わります。

LP表示はされているのにCVRが低いなら、内容の問題。広告で言っていることとLPの一行目が食い違っているケースが一番多いです。広告で「3日で終わる」と言っておいて、LPの見出しが「効率化の秘訣」だと、来た人は求めたページじゃないと判断して戻ります。

広告のクリエイティブとLPのファーストビュー、この2つを並べて見る。ズレていたら直す。それだけでCVRが動くことは珍しくありません。

学習フェーズを抜けていない数字は読まない

Metaの広告セットには学習フェーズがあります。配信を最適化するための調整期間で、この間の数字は安定しません。

抜ける条件は、直近7日間で約50件のコンバージョン。Metaが公式に出している数字です。

50件に届いていない広告セットのCPAを見て「高いから止める」と判断すると、最適化が終わる前の数字で判断していることになります。

ここでよくやるのが、成果が出ないからと設定をいじること。予算を変えたり、ターゲットを変えたり、クリエイティブを差し替えたり。大きな編集を加えると学習フェーズがリセットされて、また最初からやり直しです。いじるほど学習が終わらない。

配信を始めたら、学習が抜けるまで触らない。触りたくなりますが、我慢したほうが結果的に早い。

判断に必要な最低コンバージョン数

「この広告セットを止めるべきか」を判断するとき、何件のデータがあれば足りるか。

厳密には統計的な検定が要りますが、実務では最低30件から50件は欲しいところです。

コンバージョン5件のときのCPAと、50件のときのCPAは、信頼度がまったく違います。5件だと、たまたま安く取れただけかもしれないし、たまたま高かっただけかもしれない。

CPAが目標の2倍を超えていて、かつコンバージョンが30件以上溜まっている。この2つが揃ったら止める。それ未満なら、まだ判断材料が足りていないと考えます。

逆に、予算を消化してもコンバージョンが1件も出ないなら別の話です。目標CPAの3倍を消化して0件なら、止めていい。

まとめ

CPAを見る前に、CPM、CTR、LP表示、CVR。この順で見る。

学習フェーズを抜けるまでは触らない。判断はコンバージョンが30件以上溜まってから。

一番難しいのは「触らないこと」です。管理画面を開くと何かいじりたくなる。自分もそうです。だから配信開始から1週間は、見に行く回数を意図的に減らしています。